2014年中に90円の円高をもたらす背景

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ここまで過去の消費税増税と為替の関係には、増税前の円高、増税後の大幅円安というパターンがあったということを述べてきました。

では今回はどうでしょうか。

今回の場合も、今回特有の要因に影響されながら、結果的には同じような「増税前の円高、増税後の大幅円安」によって、たとえば、2014年中にいったん90円~95円程度への円高が起こるものの、その後2015年-2016年にかけて120円超の大幅円安に向かうような可能性があるのかもしれないと考えています。

まず、鍵を握るひとつは株価の動きではないでしょうか。とりわけ、「米ドル/円」と日経平均は高い相関関係が続いてきました。

この関係を前提にすると、2013年に一段とドル高・円安になったのは、株価が一段高になったためです。では、この株高・円安は2014年も続くのでしょうか。

これからは、米国を中心とした先進国の景気回復に伴う新たなリスクオン相場に向かうといった考え方は、一般的に少なくなさそうです。ただ、代表的な米景気指標と米株の関係を見ると、最近の米株高は、すでにそんな米景気で説明できる範囲を大きく超えた動きになっているようです。

すでに、景気で説明できる範囲を超えた株高になっているなら、それが景気回復を受けて一段と広がるということになるのでしょうか。

むしろ、景気で説明できない株高は、「バブル」の可能性もあるでしょうから、景気回復が進むなかでも、「バブル破裂」のような株安に転換する可能性はないでしょうか。

ここまで、米株高が米景気で説明できる範囲を超えた動きの修正はまだ途上であり、2014年はそれが本格化することにより、景気回復でも株安、円高というリスクオフ
に転換する可能性があるのではないかと述べてきました。

仮に米株が、米景気で説明できる範囲まで下落するなら、2~3割の下落になってもおかしくなさそうです。そうであれば、「米ドル/円」と日経平均の相関関係に変わりないなら、日本株の大幅な下落に伴い、ドル安・円高が大きく進む可能性も警戒されるかもしれません。

消費税増税と為替の関係を調べてみると、「増税前の円高、増税後の大幅円安」というパターンがあったということを前に述べました。

この「増税前の円高」は、駆け込み需要による円金利上昇が鍵になった可能性があったということを指摘しました。

この駆け込み需要による円高という要因は、今回の場合も一定の影響となりそうです。それに今回の場合なら、株急落に伴う円高圧力が重なることで、結果的には過去のケースと同じように「増税前の円高」を、私たちは見る可能性があるのではないでしょうか。

仮にそうなったら、実は中期的な円安トレンドはすでに終了し、新たな中期円高トレントが始まっている可能性はないかといった見方が一般的に広がり始めるかもしれません。

そもそも、今回の局面で100円を大きく超えた円安は、実は円安最終局面の可能性があるものなのです。

ドル高・円安は、経験的に日米生産者物価基準の購買力平価をドルが上回ってくると終了するものでした。

たとえば、2007年6月、124円で前回のドル高・円安が終わったケースは、この購買力平価を10%以上もドルが上回ったところだったのです。

さて、足元の購買力平価は93円程度です。つまり、100円をドルが大きく上回ったということは、購買力平価を10%以上もドルが上回ってきたということであり、経験的にはドル高・円安最終局面といえそうなのです。

こういったなかで、これまで見てきたような「増税前の円高」が起こるようなら、すでに2011年11月、75円から続いてきた円安は終わり、新たな円高が始まっている可能性があるのではないかとの見方が広がり始めても不思議ないところでしょう。

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